KING OF RIDERS

椿マイスターさんのブッチギリの速さを見るにつけ、かつてKINGと呼ばれる男と共に走っていた時代を思い出した。

KINGは、私が直接走りを見たライダーのうちでは、最速最強のライダー。
ガキの頃から農閑期の畑でモトクロッサーを乗り回し、中学で無免で中型バイクを乗り回し、大型限定解除は試験場で文句なしの一発合格。
峠じゃ膝すりまくり、人のバイクを借りてはバンクセンサーを削って返す。ウィリージャックナイフも自由自在。

免許取立ての二十歳そこそこの私やその他バイク仲間にとっては、同世代にそういうヤツが居るというのは実に衝撃的なことだった。

学生時代で時間は腐るほどあったから、よく峠に一緒に走りに行ったし、ロングツーリングも共にした。

延べ人数でいったら、40人ぐらいのバイク仲間が、KINGの走りを間近で見たが、KINGの走りのエッセンスを盗めた者は、多分二人だけだろう。
他の者は、最初からアイツは別格だからと諦めるか、フルバンク膝すりのカッコだけ真似て、スピードは全然出てないか程度だった。

KINGと同じラインで走り、同じタイミングでターンインし、同じタイミングでアクセルを入れる。
そうすると引っ張られて、なんとなく同じペースで走れるが、いざ一人で走るとさっぱり乗れていない。

まあ、それは当然で、KINGと自分とは、体格も乗ってるマシンもそのたモロモロの感覚も全然別なんだから、真似っこしてても本当の自分の速さにはならんし、気持ちよくもない。

本当に速いライダーは、みな自分自身の速さを持っている。テキストにこう書いてあったからとか、ライディングスクールでこう教わったからとか、GPではこういう乗り方が流行りだからという手本は、参考にはしても、気にはしていないってヤツがほとんどだろう。

そもそもエエ歳こいて、未だにバイク乗りで、峠やサーキットを走るなんてアホな人は、テキストだのセオリーなんてのは気にしない人がほとんどだろう。オレはオレ、みたいな。

ピーリング
何が言いたいのか分からなくなってきたが、まあ自分は自分ってことだ。